F-054:3つのロック(&1つのキー) <ワーク付き>
私が師事している認知科学者 苫米地英人博士は、毎月渋谷でライブを行うロッカーでもあります(博士のブログにはロックな写真が掲載されています)。
博士と出会うまで、私はギターを見るだけでイヤな気持ちに襲われていました。しかし、今ではギターを持つと幸せを感じるようになりました(まだ弾けませんが)。最近はギターを抱えながらレッド・ツェッペリンを聞いています(遅ればせながら)。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7031488.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7031602.html
今回は3つのロックがテーマです。
…といってもRockではなく、Lockの方です。
先日、身体拘束廃止をテーマとした研修会に参加しました。
患者(利用者)さんの安全を守ることや確実な治療継続を目的に、医療や介護の現場では身体拘束が行われることがあります。
しかし、身体拘束は患者さんの自由や尊厳を奪う行為でもあるため、なるべく行わないようにするための取り組みが行われています。
拘束には「3つのロック」があるとされています。
実際に身体を拘束する「フィジカルロック(physical lock)」。過剰な薬物投与で行動を抑制する「ドラッグロック(drug lock)」。そして、指示や禁止等を強い口調で伝え抑圧する「スピーチロック(speech lock)」です。
苫米地理論で考えると、「フィジカルロック」と「ドラッグロック」は物理空間での拘束、「スピーチロック」は情報空間での拘束といえます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html
そして、とくに情報空間での拘束は、「want toを奪うもの」「have toを強いるもの」であるといえます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html
私たちは、家庭や学校、職場、地域社会において、お互いにロックを掛け合っています。
家庭や教育の現場では親や教師が子どもを抑制してしまわないように、職場では上司が部下を制限しないように、気を配り続ける必要があります。医療・福祉従事者の取り組みと同じように。
ただし、拘束は他者から仕掛けられるものばかりではありません。私たちは必ず情報空間で、自らにロックをかけています。
なぜなら、無意識は常に現状維持を選択しているからです。
現状を維持することがコンフォートゾーン(CZ)のままだと、昨日のような今日を実現するようにホメオスタシス(恒常性維持機能)が強力に働いてしまいます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html
それは無限の可能性を自ら封じ込め、かたくロックしてしまっている状態といえます。
では、ロックしない(あるいはロックを解除する)ための“鍵”となるものはなんでしょうか?
…答えはゴールです。
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人が認識する世界は、どんどん入力される膨大な情報のうち、より重要な情報で成り立っています。ある研究によると、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から入力される情報量は1秒間に数百万ビットで、そのうち意識にのぼるものは40ビットだそうです。
40/数000000、すなわち、わずか1/100000の情報量でつくられているものが、各々が認識している(一人一宇宙の)世界です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html
このとき、重要な情報を選びだすフィルターの役目をしているものがRASです。そして、RASにはじかれ認識に上がらなくなることを「スコトーマに隠れる」と表現します。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
人の無意識の行動を決めるシステムのことをブリーフシステムと呼びますが、そのシステムは「過去の記憶」でつくられています。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
過去の記憶によりつくりだされる重要性により、認識する世界が決まり、無意識の行動が決まってしまうということは、私たちをロックする力とは過去の呪縛であるといえます。
その過去の呪縛を打ち破るものがゴール(=未来)です。
ゴールを“現状の外”に設定し、ゴールを達成した世界をコンフォートゾーンとすることができれば、現状維持に使われていたホメオスタシスがゴールの世界の実現に向けて働くようになります。
そして、それまでの人生で静かに眠っていたエネルギーと創造力がどんどん解き放たれていきます。
「3つのロック」は、決して医療・介護現場だけの問題ではありません。
とくに「スピーチロック」は、家庭で、学校で、職場で、お互いの自由と尊厳を奪い合う装置として働いています。エネルギーと創造性を封印するものとして機能しています。
そして、そのロックは、あなた自身の心の中でも常に働き続けています。
・人は情報空間と物理空間にまたがって存在している(物理は情報宇宙の底面であり、物理も情報)
・多くの人は過去の記憶により限定された世界だけを認識し、その世界を変えることのできない現実だと思って生きている(生かされている)
・個人のhave toは、互いに相手を束縛するhave toを生みだし、やがて社会に広がりながらコアーシブ(強制的)な文化となって、自由と尊厳、エネルギーと創造性を奪っていく
・そんなロック(束縛・拘束)を解いていくものはコーチングの知識とスキル
・心身のロック解除(拘束廃止)のために、現状の外にゴールを設定し、それをチームで共有する。さらに、お互いにその実現の自己(チーム)イメージであるエフィカシーを高めあう
・そんなコーチングの実践が、社会のロック解除(=自由実現)につながっていく!
…ロック解除は、まずはあなた自身の心からはじまります。
それでは、ワークをしてみましょう。
1) 呼吸を意識し、ゆったりした気分でリラックスを深めながら、“未来”をイメージしてください(今のままでは実現しないけれど、もしそうなったら最高な未来)
2) 何ものにもとらわれず、過去の縛りからも完全に解放されたあなたは、あふれるエネルギーと豊かな創造力を使って、ワクワクするような毎日をしっかりと生きています
3) 見上げた先にはさらに明るい光がやわらかく輝いています。その中にさらなる“未来”が見えます
4) ゆっくりと手を伸ばしその光に触れたら、そっと引き寄せ抱きしめてください。まるで子猫を抱えるように
5) 呼吸を意識しながら光の明るさ、やわらかさ、ぬくもりを感じてください。そして、息を吸うたびにその光を大きくしてみましょう
6) 最後は光にやさしく包まれたまま、“今、ここ”にいる自分にゆっくりと意識をもどしていきます
…とてもあたたかい感覚がしませんか?
それはあなたが自身の新たな未来から得た気(エネルギー)であり、ロックを解除するキーとなるものです。
そのキーは未来を拓く鍵となるばかりではなく、(結果として)過去のトラウマを解消する鍵ともなります。例えば、ギターと私の関係性が大きく変わったように。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html
最後にもう一度。
ロック解除は、あなた自身の心からはじまります。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-関連記事-
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8431066.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8431170.html
-追記-
社会的な問題となっている「忖度(そんたく)」ですが、必ずしも言語により強制されるものではありません。メラビアンの法則として広く知られているように、人は非言語的な情報からもしっかりとメッセージを受け取ります。
よって「スピーチロック」は非言語情報も含めた「コミュニケーションロック」や「メッセージロック」、あるいは情報空間でのロックという意味で「インフォメーショナルロック」とした方がいいのかもしれません。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040523.html
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