ブログ・シリーズ編

S-01:よりよい“議論”のために

S-01-11Q理論・R理論の意味

 

このシリーズでは、 “議論”について、そして“議論”をよりよくすることについて考察します。

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11Q理論・R理論の意味

 

トゥールミンは、ディベート論理を形式論理とは異なり実際の議論の論理構築法として提唱したので、その主張の相対的強度としてusuallyなどのQ論理をつけることを提唱しました。

 

また、トゥールミンロジックでは、「クレームは常に正しいとは限らない(Universally Trueではない)」とされています。ここは非常に重要です。

 

リーダーのポジションにある人がこの事実、つまり西洋哲学的には不完全性定理、現代物理学的には不確定性原理、そして釈迦哲学的には空観(または縁起)で表される「絶対的なものはない」という真理を理解できないと、必ず破滅に向かいます。

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今回のケースでいうと、「(副賞として)多機能ペンを贈る」というクレーム(C)が「必ず正しいとは限らない」という視点が抜けると非常に危険です。

 

「多機能ペンを贈る」というクレーム(C)では平和な話題過ぎてピンとこないかもしれませんが、例えば「反対意見を述べる医師=データ」を→「経営者が許せない=ワラント」から→「(揚げ足をとったり、嫌がらせをして)辞めさせる=クレーム」という場合、ワラント(経営者が許せない)やそのバッキング(創業家には逆らわせない?、許せないものは許せない??)に対する検討を十分に行ったうえでしっかりとまわりに納得してもらわないと、地域の医療を崩壊させるきっかけになりかねません。

 

“議論”とは、「ゴールを共有した集団が、お互いの情報処理の違いによりスコトーマを外しあい、ゴール達成のために解決するべき問題(課題)を明らかにして、有効な解決策を見つけていくこと」です。

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その実現のために、「ゴールの共有」「不完全性・不確定性の理解」「スコトーマの理解」という前提知識と情動のコントロール、そして抽象度を上げることが必要です。

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逆説的ですが、その情動のコントロールのためにもディベート技術を用いた論理的考察はとても有用で、とくにQ理論、R理論の検証は欠かせません。

 

米国の分析哲学では、このような考え方(「クレームは常に正しいとは限らない(Universally Trueではない)」)は別途、可能世界論や様相論理として発展しましたが、トゥールミンは同様な制約をディベート論理にR論理として導入しました。

このように、クレームが適用されない例外を呈示するのがR理論です。

 

ここまでを図示すると、下記のようになります。

トゥールミンロジックの6要素



-参考-

苫米地英人博士著「ディベートで超論理思考を手に入れる」(CYZO

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)