ブログ・シリーズ編
S-01:よりよい“議論”のために
S-01-05:よりよい“議論”のためにまず必要なこと
このシリーズでは、 “議論”について、そして“議論”をよりよくすることについて考察します。
PMⅠ-02-13:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html
I-017(告知):http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html
S-01-00(目次):http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11613757.html
05:よりよい“議論”のためにまず必要なこと
“議論”とは、「ゴールを共有した集団が、お互いの情報処理の違いによりスコトーマを外しあい、ゴール達成のために解決するべき問題(課題)を明らかにして、有効な解決策を見つけていくこと」です。
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では、その議論をよりよいものへとするためにはどうすればよいでしょうか?
…議論というと、多くの方々は、二人(二つ)または複数の人や集団が、相手の間違いを指摘し、自分の正しさを主張しながら相手を言い負かす(論理空間で打ちのめす)ことをイメージするのではないでしょうか。
議論の間はお互いに興奮し(ドーパミンやアドレナリンが分泌されています)、時に感情的に叫びながら熱くなっている様を想像しませんか?
しかしながら、このようなイメージは完全に間違ったものです。
議論とは、論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点で、論理的に行うものです。
それはまるで情報空間に巨大な構造物をつくっていくような行為です。そのプロセスには一切情動の入る余地はありません。情動が入った瞬間に構造物は崩れていきます。
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情動とは大脳辺縁系を中心とする原始的な脳の働きであり、情動優位となっている時にはIQが必ず下がっており、判断能力が低下しているからです。「戦うか、逃げるか」といった心理状態に陥ることは、その代表例です。
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反対に考えると、よりよい議論のためには、大脳辺縁系ではなく、進化で獲得した前頭前野を十分に使えばよいということになります。
よりよい“議論”のためにまず必要なこととは、情動をコントロールすること
ところが、情動をコントロールすること(情動から逃れること)は、決して簡単なことではありません。
ブリーフシステムとは、一般には人格や個性と表現されるもので、「強い情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」で形成されています。古い認知科学の用語でいうと内部表現(IR:Internal Representation)に相当します。
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つまり、自分のブリーフ(=信念、価値観)に基づいて行動するとき、自分では冷静であるつもりであっても、その根底には強い情動が潜んでいるのです。その情動が、そして情動でつくられたブリーフが、巨大なスコトーマ(心理的盲点)を生みだします。
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だからこそ、ゴールを共有した仲間との議論が必要で、情動をコントロールしながら、お互いにスコトーマを外しあうことが重要となるのです。
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それは覚りの境地にいたるための「空観」や「中観」にも通じます。
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よりよい“議論”のためには、まずは情動をコントロールすることが必要です。その力は人間形成のプロセスで獲得することができます。
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それを脳科学的に述べると、情動レベルの大脳辺縁系処理から論理である前頭前野外側部での情報処理に成長し、さらに、社会的情動(あるいは感性)という超論理を可能とする前頭前野内側部での情報処理へと進化していくことといえます。
そういう意味では、議論とは、情動→論理→社会的情動という進化・向上のきっかけになるもの(=縁起)、すなわち覚りへの階梯であると表現することもできます。
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もちろん、それは抽象度を上げ続け、“無敵”になるということでもあります。
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(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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