F-042:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ ♪」後編(ワーク付き)
2018年5月16日に、昭和を代表する歌手 西城秀樹さんが亡くなられました。63歳という若さでした。
「ヒデキ」と聞くと、私が思いだすのは「YOUNG MAN」です。さわやかに歌いながら踊る姿をよくまねたものです。
当時の記憶を思いだしながら、「YOUNG MAN」の歌詞を読みあげてみました。すると、サビの部分に少し気になるところがありました。
素晴らしい YMCA YMCA
憂鬱など吹き飛ばして 君も元気だせよ
素晴らしい YMCA YMCA
若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ
「今の若者たちは『なんでもできる』という言葉を素直に受け入れるのだろうか?」という視点で、前編(F-038)を書きました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10256356.html
「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ」という言葉の裏には、「老いていくとやりたいことはできなくなっていく」というネガティブなイメージが潜んでいます。
やりたいことがなんでもできるのは、本当に“若いうち”だけなのでしょうか?
…私の答えは、半分はYes、半分はNoです。
中編ではYesの理由について、医療・介護現場が抱える課題を紹介しながら考察しました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10542737.html
今回(後編)はNoの理由について、苫米地式認定コーチとして考察します。
…鍵となるのは、「宇宙の構造」の理解です。
おそらく地球上に生きるほとんどの人が宇宙だと思っているものは、物理空間上に限定される宇宙のはずです。
スコトーマで気がついていないだけで、私たち人間はすでに情報次元にまで拡張した空間に生きています。進化の過程で前頭葉が発達し、情報空間にまでホメオスタシス(恒常性維持機能)が働くようになったからです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
詳しくは「抽象度」「情報空間」「サイバーホメオスタシス仮説」「超情報場仮説」について解説している「The Power of Mind:第一章 苫米地理論とは?」を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html
…脳が進化した人類にとっての宇宙とは、どこまでいっても情報だけで構築されている「情報空間」です。その情報空間のうち、五感ではっきりと感じられる世界のことを特別に「物理空間」と呼びます。
抽象度が最も低い情報空間の底面である物理空間には、物理法則というルール(制約、秩序)が働いています。
前回(F-040、中編)は、その物理空間にフォーカスして書きました。
物理空間には物理的制約が働いています。1日生きると、1日分残された生命時間(寿命)は短くなり、その分身体が死に向かって老いていきます。年をとるごとに、確実に身体機能は衰えていきます。
その事実をしっかりと受け入れ、「だからこそ、若いうちから限りある命を大切に生きよう!」というのが前回の趣旨です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10542737.html
しかし、それは物理空間に囚われた偏狭な発想です。私たち人類が存在している宇宙とは情報空間(物理空間はその底面)だからです。
物理空間から“ほんの少し”抽象度が上がった瞬間に、物理法則(制約、秩序)は働かなくなります。体力や身体機能の低下などの物理の因果から解放され、時空の制約を受けなくなります。
情報空間、つまり心の空間では、物理空間の変化(時間の経過)に合わせて老いる必要などまったくなく、いつまでも“青春”でいいのです。
サミュエル・ウルマンの「青春とは人生の一期間のことではなく心のあり方のことだ」という言葉は、そのことを言い表しています。
物理空間の変化(生老病死)は受け入れつつも、情報空間では(心は)いつまでも若く生きる
…それが進化した人類の本当の生き方です。
「いつまでも若く生きる」ことができるのは、心からワクワクするようなゴールを“現状の外”に設定し続けるからです。限界に挑戦し続けるからです。
(その“限界への挑戦”とは物理的な意味ではなく、情報的なもの、例えば「私にはできない」といった過去の記憶でつくられたブリーフシステムを超えることです)
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
本当の「宇宙の構造」を意識した時、“現状の外”とは、必然的に、より高い抽象度次元へ向かうものとなります。よって、“現状の外”にゴールを設定し続ける生き方とは、抽象度を上げ続ける生き方と表現することもできます。
それはアブラハム・マズローのいう欲求の階層を駆け上がる生き方であり、「人間の欲求が、最も抽象度の低い物理空間(脳幹レベルの欲求)から、しだいに抽象度の高い情報空間(前頭葉レベルの欲求)へと段階的に上がっていく生き方」(by 苫米地英人博士)です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html
素晴らしい YMCA YMCA
憂鬱など吹き飛ばして 君も元気だせよ
素晴らしい YMCA YMCA
若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ
情報空間では人はいつまでも若くあり続けることができ、それを決めるのは自分自身です。その意味で(物理的制約に対する配慮や工夫は必要ですが)「やりたいこと なんでもできるのさ♪」は年齢にかかわらず真実であるといえます。
さらに、「やりたいこと」の抽象度を上げることができれば(欲求の階層を上がることができれば)、物理的制約から完全に解放された私たちは、さらに「やりたいこと」を「なんでもできる」という真の自由力を手に入れることができます。
それではワークです。
すべての束縛から解き放たれ自由に生きている自分をイメージしながら、以下のサミュエル・ウルマンの詩を音読してください。
YOUTH(青春)
青春とは人生の一時期のことではなく心のあり方のことだ。
若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、
安易(やすき)に就こうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。
人間は年齢(とし)を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。
歳月は人間の皮膚に皺を刻むが情熱の消失は心に皺を作る。
悩みや疑い・不安や恐怖・失望、これらのものこそ若さを消滅させ、
雲ひとつない空のような心をだいなしにしてしまう元凶である。
六十歳になろうと十六歳であろうと人間は、驚きへの憧憬・夜空に輝く星座の
煌きにも似た事象や思想に対する敬愛・何かに挑戦する心・子供のような探究心・
人生の喜びとそれに対する興味を変わらず胸に抱くことができる。
人間は信念とともに若くあり、疑念とともに老いる。
自信とともに若くあり、恐怖とともに老いる。
希望ある限り人間は若く、失望とともに老いるのである。
自然や神仏や他者から、美しさや喜び・勇気や力などを感じ取ることができる限り、
その人は若いのだ。
感性を失い、心が皮肉に被われ、嘆きや悲しみに閉ざされる時、人間は真に老いるのである。
そのような人は神のあわれみを乞うしかない。
サミュエル・ウルマン 「80歳の年月の高見にて」より
「いつまでも若々しい私」というセルフイメージがセルフトークを生みます。そのセルフトークによりイメージをさらに強化していくことで、ホメオスタシスが「いつまでも若々しい私」を維持するように働きます。そのための大切なワークです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html
壁にぶつかり前に進めないと感じたとき
煩雑な毎日に流されていると感じたとき
何かをきっかけに身体の老いを感じてしまったとき
…そんなときに、このワークを繰り返してみてください。あなたのマインドは forever young です。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
80歳の時に世界最高齢でのエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんの健康の秘訣は、「夢いつまでも」なのだそうです。「『いつまでも夢を追い続けよう』と自分に言い聞かせている」と語られています。
-追記2-
私が好きなカナダのミュージシャン ブライアン・アダムスのアルバムに「18 Til I Die」というものがあります(1996年発表)。「死ぬまで18歳!」と歌うBAは、今年59歳となりますが、今でも現役バリバリのロッカーです。
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