Q-042:「明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた」とは具体的にどういうことでしょうか? Vol.1
御質問をいただきました。ありがとうございます。
(コメントは公開していませんので、ぜひ気軽にご利用ください。メールでもどうぞ)
Q:質問です。現在自分は目標がありますが、ただ漠然としたイメージの中で目の前の目標に対して取り組んでいます。よく明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいたと聞きますが、具体的にどういうことなのか教えていただければと思います
A:少し長くなりますが、御質問に対して、1)認知科学以降に変わった“リアル”の定義、2)ゴールと現実の関係、3)よくあるゴール設定の間違い、4)ゴール達成前にすべきこと、5)“自我”の考察により明らかになる“リアル”の儚さ、に分けて回答いたします。
「ただ漠然としたイメージの中で目の前の目標に取り組むこと」の功罪について理解するための、そして、これからの自分の生き方を“自由意志”で選択するための、大切な知識となるはずです。
リラックスしながらお読みください。
1) 認知科学以降に変わった“リアル”の定義
“現実”とは何でしょうか?
…じつは認知科学以降、“リアル”の定義は変わりました。
認知科学以前は、目の前の物理的世界が“現実”であり“リアル”であると考えられていました。ところが今は、物理的世界を“リアル”とはいいません。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html
そもそも物理的世界とは何でしょうか?
…直感的にはわかりにくいかもしれませんが、私たちが認識する物理的世界はすべて情報です。
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、そして言語という6つの情報認識手段(それをモーダルチャンネルといいます)により得た情報を、自身のマインドで統合し、再構築したものがその人にとっての物理的世界です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html
認識には必ず盲点があります。それを「スコトーマ」と呼びます。
私たちは、目の前の物理的世界をありのままに認識しているのではなく、限定的に認識しています。いつも、かつ、必ずです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
スコトーマを生みだすものは“自我”です。
“自我”を現代分析哲学では「評価関数」と考えます。評価関数とは「宇宙を自分の重要性によってならべかえる関数」です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html
私たちは、目の前の世界を自身の重要性で認識しています。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html
例えば、同じ部屋で過ごしていても、美術が好きな人は壁の絵に目がいくでしょうし、花が好きな人は机の上の花瓶を見てしまうでしょう。本が好きな人は書棚が、きれい好きな人は床のほこりが気になります。
そのように同じ空間にいても、その人の重要性により認識する世界は全く違うものになります。「ありのままに認識しているのではない」というのはそういう意味です。
では、その重要性を決めるものは何でしょうか?
…それは情動を伴う体験の記憶と情報の記憶であることが明らかになっています。つまり、人が認識する目の前の世界は過去の記憶により成り立っているのです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
目の前の世界がその人の記憶により作られた重要性による認識で成り立っているのであれば、“現実”とは何でしょうか?
…“現実”とは、その時に一番臨場感の高い世界のことをいいます。
つまり、臨場感が“リアル”を生みだすのです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html
例えば、映画の世界に没頭している時は、その映画の世界が“リアル”です。
その時電話が鳴り、あなたがその電話を意識した瞬間に、“リアル”は映画の世界から電話でつながる相手との世界に変わります。瞬時にです。
まずは、皆さんがその時に一番臨場感を感じている世界が“リアル”であるということを理解してください。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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