PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ
PMⅠ-05:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ
PMⅠ-05-16:そもそも教育とは?-7-1)(人間形成に作用する)すべての精神的影響
この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。
そもそも教育とは?-7-1)(人間形成に作用する)すべての精神的影響
「5)望ましい方向へと変化させること」で、ある中・高一貫校での進路指導主任の話を取り上げました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9672774.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9817539.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9817603.html
「進路指導前は薬学部志望だった生徒に対して、『君の成績なら合格できるから医学部を受験しなさい』とアドバイスをし、見事に合格させました」という発言の根底に差別があることを問題点として取り上げましたが、皆さまの中には「なぜ差別があると断言できるのか?」と疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。
じつは、他に根拠があります。「分をわきまえろ問題」です。
その進路指導の先生は保護者に対してこのようにも発言したそうです。「褒めて育てるという親もいますが、子供が勘違いをするのでやめてください。中には分をわきまえず、『何にでもなれる』みたいな幻想を抱く子がいます。しっかりと現実を見れる子に育てるためにも、いいかげんなことを言うことはやめてください。そのために、まずは親が分をわきまえてください」と。
「分をわきまえる」とは、「自分の身の程や分際を承知して、出過ぎたまねをしない」という意味です。
コーチとしてこの言葉を聞くと、「現状のコンフォートゾーンに閉じこもって、無限の可能性や豊かな才能を発揮する未来を諦めろ」と言っているように聞こえます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html
「身の程」とは一体何でしょうか?
「分際」とは誰が決めるというのでしょうか?
…この思想の背景には儒教的な差別思想があります。そして、教育者がこんな言葉を吐いたという事実には、とても大きな問題が潜んでいます。ディベートでいう「クリティーク(Kritik、K戦略)」です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html
「肯定側の推進する論理の背景もしくは前提にある哲学、思想、世界観、利用される用語などが望ましくないものであれば、肯定側のケースやプランの有効性にかかわらず、現実の世界では、肯定側のプランが採択されてはならないという議論」がクリティーク(K戦略)です。
つまりK戦略の基本とは「相手の前提となっている価値判断そのものを疑う」ということですが、今回のケースでいえば「『分をわきまえろ』と発言する教師の判断・行動の根底にある考え方(思想、哲学、世界観、ブリーフシステム等)が“おかしい”から、いずれにせよ、その進路指導はよくない」というのが私のK戦略的意見です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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