苫米地理論&定理を学び、苫米地式を実践する <竹原邦雄 / CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 <竹原邦雄 / CoacH T> ブログ

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L-253202212月医療・介護研修会 -02;帰納的方法論(induction)と演繹的方法論(deduction

 

202212月、鹿児島県の医療法人で、認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。テーマは「3つの感染症』を“Total”という視点で考える」。

当日の研修内容を、最新の知識で再構築しながら、ブログ用にリライトします。

*関係者の皆さま、大変長らくお待たせいたしました

 

 01;研修当時の“空気感”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38323917.html

 02;帰納的方法論(induction)と演繹的方法論(deduction

 

 

 とくに初めての場で研修を行う場合、私は「スコトーマ」と「ゲシュタルト」の話からはじめます。「認識の不思議」を体感していただき、「認知(cognition)」について興味をもってもらうために。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 そのためによく用いるのが「ルビンの壺」。

 ルビンの壺 - Wikipedia

 

 最近出版された(20264月)苫米地博士と佐藤勝さんの対談本「見えない戦争の正体 -米中露が仕掛ける『認知戦』-」(フォレスト出版)の中で、「ルビンの壺」が取り上げられていました。以下、同書(p46)より引用します。

 

 

認知戦のベースとなる認知心理学と認知言語学

佐藤勝 「認知戦」という概念は、近年になって頻繁に使われるようになりました。しかし、その本質を理解するためには、まず「認知(cognition)」という語の意味を確認しておく必要があると思います。1990年代から一般にも広まったこの言葉について、「広辞苑」ではこのように定義しています。

 

 事象について知ること、ないし知識をもつこと。広義には知覚を含めるが、狭義には感性に頼らずに推理・思考などに基づいて事象の高次の性質を知る過程。

(新村出編『広辞苑』第七版・岩波新書・2022 

 

 この定義では曖昧ですが、「認知」とは人間の脳の働きを基礎とした判断力や思考力のことです。そして、そうしたものを研究する学問が認知科学です。

 この分野は、心理学、言語学、神経科学、教育学、情報工学、コンピュータ科学、哲学といった広範な学問領域と密接につながっていますが、認知戦を実践するにあたり、こうした理論を網羅的に学ぶ必要はないというのが私の認識です。

 また、戦争以外の領域においても、認知科学的なアプローチを交渉や実際の駆け引きに応用すれば、相手の認知空間を自由自在に作り変えることができてしまいます。

 先生、このような理解で、合っていますよね?

 

苫米地 はい、合っています。

 

佐藤裕二 それでは、次に苫米地先生に、認知戦研究の前提となっている、認知をめぐる中心学問について少し詳しく説明していただきたいと思います。

 

苫米地 わかりました。情報工学についてはこの対談の中で詳細に検討すると思いますので、それ以外の認知科学のいくつかの中心分野について、説明しておきたいと思います。

 まずは、認知心理学の歴史的展開について少し述べていきたいと思います。認知心理学という分野が確立する前、構成主義心理学、あるいはその発展形式である行動主義心理学が中心の時代と認知心理学が中心との間の時期に、心理学の世界で大きく注目された考え方があります。

 それはゲシュタルト心理学です。

 ゲシュタルト(Gestalt)とはドイツ語で、「形態」や「図」や「状態」などを示す言葉ですが、ゲシュタルト心理学は行動主義心理学の刺激-反応モデルへの疑問から20世紀初頭に生まれたものです。

 チェコ人で、ベルリン大学で心理学を学んだマックス・ヴェルトハイマーは、今、この学派の創始者と言われていますが、彼の理論を発展させた研究者であるドイツのヴォルフガング・ケーラークルト・コフカのほうが有名ですね。ケーラーのチンパンジーを使った学習に関する実験はよく知られていますので、ご存じの人も多いと思います。

 ゲシュタルト心理学の特徴を要約すると、「部分をいくら足しても全体にはならず、重要なのは全体である」という全体論を基本とした考え方によって物事を捉えようとする傾向があるということです。

 人間の認識では、単なる点の集合が、ある形のもの、たとえばモナリザの姿として見えたり、音が連続的に並べられたものがメロディーに感じられたりします。こうした部分には還元できない、全体から人間の認識を捉えようとしたのがゲシュタルト心理学です。

 この考え方は、のちの認知心理学に大きな影響を与えました。ゲシュタルト心理学の理論はある対象がどのように見えたり、どのように聞こえたりするのかという問題は全体の中でのある要素と他の要素との関係によって決まるというものですが、それは人間の認識の基本が部分と部分の総和には決してなっていないという根本的な問題を提起します。

 

佐藤勝 ルビンの壺がそのいい例ですね。図と地との関係によって、壺に見えたり、二人の人物が向き合っているように見えたりするというやつですが……

引用おわり(このつづきは「L-255」で引用します)

 

ルビンの壺(「見えない戦争の正体」)

「見えない戦争の正体」より引用

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認知心理学という分野が確立する前、構成主義心理学、あるいはその発展形式である行動主義心理学が中心の時代と認知心理学が中心との間の時期に、心理学の世界で大きく注目された考え方があります。それはゲシュタルト心理学です

 

 苫米地博士が語られているのは「構成主義心理学→行動主義心理学 →ゲシュタルト心理学 →認知心理学という流れの中で、ゲシュタルト心理学が“大きな転換点”になった」ということ。

 Q-435:コーチングは行動科学とvol.2;心理学から行動科学、そして認知科学へ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37049778.html

 

 それは「『部分→全体』という一方向性から『全体⇆部分』という双方向性へのパラダイムシフト」と考えることができます。

 F-318:観自在 <理論編-1観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32825990.html

 

 もっとシンプルにいうと、視点の抽象度が上がった結果として、「部分と全体の双方の関係性(=縁起)を理解する」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 ゲシュタルト心理学の特徴を要約すると、「部分をいくら足しても全体にはならず、重要なのは全体である」という全体論を基本とした考え方によって物事を捉えようとする傾向があるということです

 

 概念を定義する場合、大きく分けると、2つの方法があります。一つは「帰納的方法論(induction)」、もう一つは「演繹的方法論(deduction)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 帰納的方法論とは、「たくさんのサンプルを持ってきて、そのサンプルから共通するパターンを見つけ出して定義する」という方法です。

 前回(L-252)取り上げた「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」でいうと「空気を介して感染」「スマホ付着後4週間残存可能」「皮膚上でインフルの5倍の“寿命”」「糖尿病の引き金」「脳が10歳老化」「お茶で無害化」「90日以内に精神疾患発症」「脳に侵入(している可能性)」などを共通点とする新たな感染症が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」だといえます。

 

 帰納的方法論にはいくつか問題があります。

ひとつはサンプル数が足りないと間違った定義をしてしまうリスクが高くなるということ。「糖尿病の引き金」「お茶で無害化」など細部にこだわると、本質が見えなくなってしまいます。そもそも例に挙げた研究報告を全部満たしたとしても、それがウイルス感染なのか細菌感染なのかさえわかりません。肝心な部分が抜けているからです。

もう一つは間違ったところを抽出してしまう可能性です。実際、日本においては「空気を介して感染」は長い間否定され、「接触感染」と「飛沫感染」だとされていました。現在の定義からすると、当時の日本で流行した感染症は「『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)』ではない」ということになります。

 

 コーチングの視点でさらに付け加えると、サンプルというのは全部過去。つまり、帰納的発想からは、現状の外に設定するゴールのようなまったく新しい発想(世界、未来)は生まれません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 概念を定義するもう一つの方法は演繹的方法論。それは「先に抽象的な定義をし、目の前のサンプルを『その定義の中で、どう当てはまるか』という視点で考える」というもの。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」でいうと、先に「感染症」というものを定義します。そして、その「感染症」という定義の中で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」に当てはまるものを定義していくことが演繹的方法論です。

 

 演繹的方法論にも課題があります。それは「つねに定義する対象の上位概念がはっきり定義されていないといけない」こと。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を定義するためには、その上位概念である「感染症」が定義されていないといけません。「感染症」を定義するためには「病」が、「病」を定義するためには「生命(現象)」がと上位概念を定義していく必要があります。

 

繰り返しますが、「上位概念の定義ができてはじめて、下位の概念が定義できる」というのが演繹的発想。この発想の課題は「つねに定義する対象の上位概念がはっきり定義されていないといけない」こと。

 

 その課題を解決するためには大きな問題(case)がありますが、じつは、その解決(plan)はすでに示されています。偉大な先人たちによって。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

L-254につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

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Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

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Q-387~:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか?

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Q-421~:コーチングを受けるとどうなりますか? -version 2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430928.html

 

 

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L-252202212月医療・介護研修会 -01;研修当時の“空気感”

 

202212月、鹿児島県の医療法人で、認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。テーマは「3つの感染症』を“Total”という視点で考える」。

当日の研修内容を、最新の知識で再構築しながら、ブログ用にリライトします。

*関係者の皆さま、大変長らくお待たせいたしました

 

 01;研修当時の“空気感”

 

 

 研修を行った202212月というのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の騒動から3年目。実験薬(mRNAワクチン)接種が始まって2年目というタイミングでした。皆さんはあの頃のことを覚えていますか?

 F-139:沈黙の春

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22636357.html

 

コロナ当初は不安や焦燥を感じている人からの質問や相談が多かったように記憶しています。例えば↓

Q-237:新型コロナウイルスが怖いのですが、どのように対処すればよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28210417.html

 

 苫米地博士は「不安や恐怖は慣れる」と話されます。この事実を知っていることは、トラウマ対策としてとても大切です。

 F-075Preventable Trauma Death

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15833962.html

 

 

  不安や恐怖は慣れる

 

 

 それは「不安や恐怖を感じる状況に対して、大脳辺縁系ではなく、前頭前野で対処できるようになる」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 コーチング的にいうと、コンフォートゾーン化です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

それは基本的にはいいことですが、不安や恐怖から開放される一方で、無気力に陥ったり虚無感に苦しむ場合もあります。

 Q-354:休みの日なのにvol.1;「無気力」と「やる気がない」の違い&GMCZ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33182294.html

 

 社会的な視点でいうと、「影響が長引き、思うように元に戻らないことで、社会全体に抑うつや無気力が生じる」という幻滅期です↓

 F-187~8:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -04~5;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25802632.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25868437.html

 

 

時間の経過と被災者のこころの動き

災害時の「こころのケア」の手引き

東京都保険福祉保健局HP(平成205月)より引用

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamasou/sonota_jouhou/saigaitaisaku.files/saigai.pdf

 

 

 その頃、私自身は、ちょっとうんざりしながら(=プチ“幻滅期”)情報収集&発信を続けていました。記録を確認すると

 

 □新型コロナウイルスは空気を介して感染しうる(2022.9月、米国CDC

 □新型コロナウイルス、スマホなどに付着後4週間残存可能(2022.10月、豪CSIRO

 □新型コロナウイルスの「寿命」皮膚上でインフルの5倍(2022.10月、京都府立医大)

 □新型コロナウイルスは糖尿病の引き金か、症例相次ぐ(2022.10月、Reuter報道)

 □新型コロナ感染の後遺症で脳が10歳も老化する可能性(2022.10月、Newsweek報道)

 □お茶で新型コロナ無害化 1分で最大99%(2022.11月、奈良県立医科大)

 □コロナ感染者の5人に1人が90日以内に精神疾患を発症(2022.12月、英オックスフォード大)

 □新型コロナウイルスが脳に侵入している可能性が高い(2022.12月、米ワシントン大学)

 

 という感じ。

 F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

 

 皆さんは当時の重苦しい感じや閉塞感にうんざりしていませんでしたか?

 

  

 そんな“空気感”の中で行った講義を、当時の感覚を思い出しながら、そして、その後の学びを加え再解釈して、ブログ用にリライトしたいと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

L-253につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 苫米地博士は「不安や恐怖は慣れる」と話されます。この事実を知っていることは、トラウマ対策としてとても大切です

 

 人は生きている間にたくさんの「辛い」「悲しい」「腹立たしい」「悔しい」等に遭遇し、それを記憶します。失敗を記憶するのは、同じ体験を回避するための重要な働きです。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 しかしながら、辛い体験や悲しい体験の記憶をうまく処理することができないと、負の連鎖へと発展しトラウマ化してしまうリスクもあります。

もしもトラウマ化してしまえば、人間的な成長が阻害され、人格的にも歪んでしまいかねません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 だからトラウマ化を防ぐことが大事。

苫米地博士は著書「『イヤな気持ち』を消す技術」(フォレスト出版)の中で、その方法を2つ挙げられています。

 1つ目は「その体験を繰り返し、慣れること」。

2つ目は「前頭前野側から介入して、恐怖をなくしパターンを変えること」です↓

 Q-201:コーチングでは「最悪を想定する」ことはどう考えればよいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26357342.html

 

 以下、同書(p65)より引用します。

 

 

ゴキブリも慣れるトラウマ回避の方法

 人間が過去の過酷な体験をトラウマ化させてしまうのは、これまで述べてきたように、扁桃体が海馬に促す増幅作用が原因になっています。

 そこで、海馬が記憶を思いっきり増幅して引っぱり出すレベルを意図的に鈍感にしてやることが、辛い体験や悲しい体験の記憶を“忘れる”ためにとても有効な方法です

 鈍感にさせる方法は、2つあります。

 

 1つ目は、その体験を繰り返し、慣れることです

 慣れるというと、首をかしげる人がいるかもしれません。

 慣れないからこそイヤな記憶が甦る。

 そう考える人がいたとしても、不思議はないでしょう。

 そこでもう少し厳密にいえば、慣れるというのは、それが自分の身に何も危険を及ぼさないということを、体験的にくり返して知るという意味です。

 

 私の知り合いに、ゴキブリの研究をしているアメリカの有名大学の教授がいます。詳しくは知りませんが、ゴキブリの分泌物は、医学的に役立つ大きな可能性を秘めているのだそうです。

 彼の研究室には、さまざまな種類のゴキブリが収められた飼育用ガラス箱が、所狭しと積み上げられています。

 もちろん、それだけでは飽き足らず、彼の瀟洒なアパートメントも、研究室と同じような状態になっています。

 リビングはもとよりキッチンや寝室の床から天井までガラス箱が積まれ、そのひとつひとつに珍しいゴキブリがびっしり入っています。生活空間に、それこそ何千匹、何万匹がうごめいているわけです。

 彼にとって、それは愛する研究対象でしょうが、パートナーの女性には耐えがたい存在に違いありません。彼女は、ごくふつうの女性と同様に、ゴキブリは大の苦手です。

 

 ところが、そんなパートナーでも、それほど時間を費やすことなく、ゴキブリ満載のアパートメント暮らしに慣れてしまうそうです。どの程度の慣れなのか定かではありませんが、毎晩ゴキブリ飼育のガラス箱が並んだキッチンで手料理をふるい、隣接したダイニングでふたり食卓を囲んでいることだけはたしかなのです。

 それは、初めての解剖で卒倒した医学部の学生が、やがて平然とメスをふるうようになるのと同じことです。

 扁桃体は海馬に記憶を増幅して引っぱり出すよう促す働きを行いますが、その一方で、逆にそれを弱めるよう促す働きも持っています。ある情報について、それが生命の危機ではないと判断すると、その情報に鈍感になるわけです。

 少々難しい言い方ですが、扁桃体はその意味で、「評価関数である」ということができます。

 評価関数とは、たとえば将棋のゲームソフトなどに使われている局面の評価方法のことです。将棋ゲームソフトでは、人間が駒を動かして現れた局面を+10とか+90などと評価し、コンピュータが次の手を探すようにつくられています。

 扁桃体も、目の前で起こった出来事を+10とか+90などと評価して、過去の記憶をどのくらい強く引っぱり出すかを決めているわけです

 引用おわり(つづきはこちらでどうぞ↓)

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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イヤな気持ちを消す技術

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F-447:音楽から引退することはできない <vol.1;映画音楽の巨匠の軌跡>

 

 前回(F-445~)取り上げた映画「BLACK RAIN」を、私は映画館で二度観ました。

 F-445~BLACK RAIN

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_433236.html

 

二度目は大学受験初日の夜。その日、先に観たのは「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」でした。音楽を担当したのは映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズ(John Towner Williams1932~)です。

*インディといえばこの曲↓

John Williams & Saito Kinen Orchestra - "Raider’s March" from "Raiders of the Lost Ark"

 

 

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦

 

 

 ウィリアムズは、皆さん御承知のとおり、映画音楽史上最も高い評価を得ているといっていい作曲家。グラミー賞を26回、アカデミー賞を5回受賞(ノミネートは54回!)しています。「ジョーズ」「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」「スーパーマン」「E.T.」「74日に生まれて」「ホームアローン」「JFK」「シンドラーのリスト」「ハリー・ポッター」「プライベート・ライアン」「リンカーン」などそのメロディを誰もが耳にしたことがあるはず。

 

 

John_Williams_2024(Wikipedia)

ジョン・ウィリアムズ(2024年撮影)

Wikipediaより引用

ジョン・ウィリアムズ (作曲家) - Wikipedia

 

 

そんなウィリアムズは、昨年(2025年)、自伝を出版しました。その出版に関するインタビューの最後の言葉は「音楽から引退することはできません。それは呼吸のようなもので、私たちの人生だから」でした。

これは「音楽は“命”にかかわる大切なホメオスタシスの一部であり、“生命(活動)”そのもの」という意味であるはず。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 巨匠らしい抽象度の高さを感じさせる言葉ですが、そこに至るまでは“らしくない表現”が続きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 例えば、映画音楽について

あまり好きではなかった

懐かしい思い出として記憶しているだけ

儚く、断片的

ただの仕事」  とコメントしています↓

ジョン・ウィリアムズ「映画音楽あまり好きじゃなかった」「ただの仕事」 | THE RIVER

 

 インタビュー記事を読みながら、私はすごく混乱しました。壮大で美しい数々の楽曲やドキュメンタリー映像等での明るく前向きなイメージとインタビューでのコメントがあまりに乖離していたから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 きっと深い意図があるに違いないと思いながら、ジョン・ウィリアムズについてリサーチしてみました。ブリーフシステム分析の過程で感じたことを整理しながら、先ほどの発言を考察します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 vol.1;映画音楽の巨匠の軌跡

 

 

 まずは映画音楽の巨匠と呼ばれるまでの軌跡を確認しましょう。

 

 ウィリアムズの母親はジャズドラマーだったそうです。きっと生まれた時から音楽がコンフォートゾーンだったのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

大学時代に作曲を学び、ジャズバンドの一員として活動します。最初はトロンボーンに憧れていたそうですが、アメリカ空軍に入隊後はピアノとベースの演奏を担当し、軍楽隊の指揮と編曲も行っていたそうです。

兵役を終えた後(23歳)、かの有名なジュリアード音楽院に入学します。コンサートピアニストになることを夢みてピアノを専攻しましたが、同世代のピアニストの演奏を目の当たりにし、作曲に専念するようになったそうです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

作曲家を志したモチベーションの根底には、ピアニストとしての劣等感があったのかもしれません。

Q-380自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<後編;plan-side

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34672869.html

 

 卒業後は再びピアニストとして活動し、「ピーター・ガン」「ティファニーで朝食を」「シャレード」「アパートの鍵貸します」「ウエスト・サイド物語」といった映画音楽のピアノを担当します。この頃にジャズアルバムもリリースしたそうです。

 話が逸れますが、幼少の頃の私は、なぜか「ピーター・ガン」のテーマが大好きでした。そのピアノを弾いていたのがじつはジョン・ウィリアムズだったと知り、とても驚いています。

 *「ピーター・ガン」のテーマ↓

 ピーター・ガン/ヘンリー・マンシーニ

  

 映画音楽にピアニストとして関わるようになった後、テレビ音楽を作曲するようになり、徐々に映画音楽の作曲へと活動の場を移していきます。そして、1972年に「屋根の上のバイオリン弾き」でアカデミー賞(編曲・歌曲賞)を受賞します。

 *その時の映像がこちら↓

 Fiddler on the Roof Wins Adaptation and Original Song Score: 1972 Oscars - YouTube

 

 その後「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」「大地震」といった大作映画の音楽を担当するようになり、ついにスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg1946~)と出会います。

 スティーヴン・スピルバーグ - Wikipedia

 

 余談ですが、たった2つの音で作られた「ジョーズ」のメインテーマを聴いたとき、スピルバーグは冗談だろうと思ったそう。その後様々なテーマのバリエーションを聴き、「最もシンプルなアイデアこそが最高なのだ」と納得したそうです。

その「ジョーズ」の楽曲にて、ウィリアムズは2つ目のオスカーを手にします(以後の受賞はすべて作曲賞)。

*「ジョーズ」のテーマ↓

 John Williams: Theme from Jaws (Boston Pops)

 

 その後数多くの作品を共作することになるスピルバーグの強い勧めで取り組むことになったのが、ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」。

 ジョージ・ルーカス - Wikipedia

 

1977年の第1作(Episode /A New Hope)から2019年の第9作(Episode /The Rises of Skywalker)までのすべて音楽を担当し、さらにスピンオフ映画「ハン・ソロ」(2018年)やDisney+で配信された「オビ=ワン・ケノービ」(2022年)にも楽曲を提供しています。

 *「スター・ウォーズ」メインタイトル↓

 John Williams & Wiener Philharmoniker – "Main Title" from "Star Wars: A New Hope"

 

 ルーカス(&フィリップ・カウフマン)の原案をもとにスピルバーグが監督を務め生みだしたのが「インディ・ジョーンズ」シリーズ。

冒頭で紹介したインディのテーマ曲だけでなく、マリオンのテーマ曲も秀逸です。42年という長い時を経て、その美しい旋律は深みを増しています↓

 John Williams & Anne-Sophie Mutter – Williams: Marion's Theme - From "Indiana Jones"

 

 

 ジョン・ウィリアムズの長い音楽活動の軌跡をたどるにはまだまだ情報が足りませんが、あと1つだけエピソードを紹介します。

 

 1993年、スピルバーグとウィリアムズのタッグは、正反対の映画と音楽を生みだしました。最初に公開されたのが「映画の歴史が変わる スピルバーグが変える」というキャッチコピーが付けられた「ジュラシック・パーク」。その後が「一つの生命を救う者が 世界を救える」というキャッチコピーの「シンドラーのリスト」(日本での公開は942月)。

 *「ジュラシック・パーク」のテーマ曲はこちら↓

 John Williams & Vienna Philharmonic – Williams: Theme from “Jurassic Park”

 

 「ジュラシック・パーク」終了後にすぐに「シンドラーのリスト」の撮影のためにポーランドに飛んだスピルバーグは、帰国後ラフカットをウィリアムズに見せて音楽を依頼します。

その映像を見て「打ちひしがれ、言葉が出なかった」「圧倒されて、涙が出た」というウィリアムズは、盟友に正直な気持ちを打ち明けます。「この映画は、私よりも優れた作曲家が必要だと思う」。その告白に対するスピルバーグの返答は、「わかる。でも、彼らはみんな死んでしまった」

 「彼の粘り強さのおかげで音楽を引き受けた」というウィリアムズは、「でも、本当に自信がなかったんだ。誰が、どんな曲を書いても、ふさわしい曲にはならない- それほど重みのある作品だった」と述べています(Disney+「ジョン・ウィリアムズ 伝説の映画音楽」)。

 このエピソードから感じるのは、スピルバーグのエフィカシーを高める働きかけ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 もっと正確に表現するとコレクティブ・エフィカシーです。

 Q-310~2:私のまわりではvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 そのエフィカシーによりセルフイメージの限界を突き破り、ついに生みだされたのが、5つ目のオスカーをもたらしたこの名曲↓

 *サントラ録音時のヴァイオリニスト イツァーク・パールマン演奏

 John Williams: Schindler´s List Theme - Itzhak Perlman

 *2023年ジョン・ウィリアムズ来日時演奏(サイトウ・キネン・オーケストラ)

 John Williams & Saito Kinen Orchestra - Schindler’s List (Live at Suntory Hall, 2023)

 

 

 私は「シンドラーのリスト」を観る前にこの楽曲を聴きましたが、それはまさに「打ちひしがれ、言葉が出なかった」「圧倒されて、涙が出た」という至高の体験でした。

ひょっとしたら、「高抽象度の未知なるLUB」に触れてしまったのかもしれません。

 F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html

 

 

 ところで、きっと誰もが音楽を聴いて「打ちひしがれる」「言葉が出ない」「圧倒される」「涙が出る」という体験をしているはず。なぜ、そのようなことが起こるのでしょう?

 

 著書「音楽と洗脳 美しき和音の正体」(徳間書店)の中で、苫米地博士は「音」や「音楽」について詳しく解説されています。これから4回にわたって同書より引用します。

まずはこちらから(p71)。

 

 

◎音はどうやって脳を刺激するのか?

 それにしても不思議なのは、なぜ、ある一定の響きやパターン、変化が脳を刺激するのか? です。

 そもそも音とは空気の振動です。この振動が耳から入り、長さ約3.5センチの外耳道を通って鼓膜を揺らします。たったそれだけのことなのに、人は音に気持ちよさや不安感などを感じ、時にはトランス状態にまでなってしまいます。

 この秘密を解き明かすためにも、一度、音がどのようにして脳まで届くのかを確認する必要があるでしょう。

 それでは、鼓膜を震わせた空気の振動は、どんな経路をたどって、脳に行き着くのか見てみましょう。

 鼓膜に伝わった空気の振動は中耳にある3つの連携した小骨に伝わります。ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨で、鼓膜で受けた振動はこれら3つの骨によって増幅されて内耳へと伝わっていきます。

 ただし、耳小骨は骨である以上どうしても物理的な制約がかかってしまいます。大きなエネルギーを持つ音が入力されても鼓膜のように大きく振動せず、エネルギーの小さな音ではそもそも振動できません。私たちの耳に可聴域があるのはこのためで、可聴域の下が約20Hz、上が約20kHzと決まっているのは、鼓膜の振動を内耳に伝える伝導体が骨だからです。

 中耳の奥にあるのが内耳で、カタツムリ(蝸牛)の形をしています。蝸牛の内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の中には2万個ほどの有毛細胞があります。

 この有毛細胞は文字どおり、蝸牛内部に生えた毛で、この毛が音の周波数の高低に反応します。

 例えば、高い音は蝸牛の入り口付近に生える毛だけを揺らします。一方、低い音は蝸牛の奥、つまりカタツムリの殻の奥のほうの毛まで振動させることができます。

 ですから蝸牛の入り口の有毛細胞しか振動していないと脳が認識すれば、いま高い音が鳴っているとわかり、蝸牛の奥まで振動していれば、いま低い音が鳴っているとわかるわけです。

 ちなみに、年齢が上がってくるに従って高音が聞きづらくなるのは、高音に反応する有毛細胞が蝸牛の入り口に生えているからです。入り口付近の毛ですから、担当外の低音でも常に揺らされることになり、消耗が激しくなってしまいます。年を経るに従って高音の代表的な音であるモスキート音が聞こえなくなるのは高周波に反応する入り口付近の有毛細胞が徐々に劣化(脱毛)してしまったのが原因です。

 引用おわり(このつづきは次回引用します)

 

F-448につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記1

 「映画制作者を育成し、映画芸術の遺産を顕彰する」ために設立された団体AFIAmerican Film Institute)は、2005年にアメリカ「映画音楽ベスト100film scores)」を発表しました。

 映画音楽ベスト100 - Wikipedia

 

 堂々の1位に選ばれたのは、「スター・ウォーズ」のこの曲です↓

 John Williams & Saito Kinen Orchestra - 王座の間とエンドタイトル

 

 ちなみに、私の1位はこちら↓

 John Williams & Vienna Philharmonic – Williams: Imperial March (from “Star Wars”)

 

 ウィリアムズ自身のお気に入りはこの曲なのだそう↓

 John Williams & Berliner Philharmoniker – Yoda's Theme (Official Music Video)

 

 

-追記2

 2016年に、ジョン・ウィリアムズは、AFIから「生涯功労賞」を贈られました。

授賞式当日、インディのテーマ曲が流れる中ちょっと不機嫌そうに登場したハリソン・フォード(Harrison Ford1942~)は、「この“damn music”がいつもついて回る。舞台に上がるとき、舞台から降りるとき、いつもこの曲がかかる。この前なんか大腸内視鏡検査を受けている手術室でもかかった」と悪態をつきます。

そんなつかみの後に取り上げたのは「マリオンのテーマ」。ウィリアムズが作る音楽の本質を捉え、さらに音楽の持つ力を感じさせる名スピーチです↓

Harrison Ford on the "Indiana Jones Theme" song, praises John Williams

 

その日のジョン・ウィリアムズのスピーチもどうぞ↓

ジョン・ウィリアムズが第44回AFI生涯功労賞を受賞

 

 

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-関連記事-

F-008SWな一日

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F-014:「THE LAST JEDI」評 ~ネタバレなしversion

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F-304~:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~

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Q-162~3,5:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか? <コーチング実践者向け回答 vol.3~5ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057233.html

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Q-482:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか? <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 

Q:苫米地博士は「過去は一切関係ない」と矛盾するから「これからはアファメーションは行わない」と話されています。これからのコーチングではアファメーションは行わないと理解しておりましたが、博士の新刊の「老い方をいますぐ、アップデート」の中ではアファメーションを積極的に勧めているように感じられます。

博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?

 

A2:前半はコーチング入門者に対する視点で、後半はコーチング実践者に対する視点で回答します。あくまでも私の仮説です。気楽にどうぞ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 *前編はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38305515.html

 

 

 前回引用した文章で博士が問われているのは

 

  自分を好きですか?

  自分を肯定する「自己イメージ」を持っていますか?

 

 ということ。

 

 でも、ほとんどの人は自分のことを好きではなく、自分を肯定する「自己イメージ」を持ってはいません。「持っている」という方も、本来の潜在能力と比べると、まったく足りないはずです。

 その理由はベーシックトラストが弱いからであり、老いとともに心身が弱っていくから。

もっと本質的に考えると、そもそも我々の記憶が“失敗”駆動型だからです。

 だから「アファメーションを使ってエフィカシーを高める」ことを勧められているのだと思います。まずはコーチングのスタートラインに立てるように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 とここまでがコーチング入門者向けの話。

 現状の外にゴールを設定し、未来から過去に流れる時間観で生きるコーチング実践者にとっては、「過去は一切関係ない」!

これは重要なプリンシプルです。

 L-248202210月介護施設研修 -08;「過去には一切こだわらない」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38119777.html

 

 いくらいいアファメーションであっても、過去の自分が書いたものを今声に出して読んで臨場感を上げることは、「過去は一切関係ない」と断言する苫米地式と矛盾します。

だから最新のコーチングにおいては、質問中にあるとおり、苫米地博士はアファメーションを推奨されてはいません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

では、なぜ「老い方をいますぐ、アップデート」(TAC出版)の中で「アファメーションを積極的に勧めている(ように感じられる)」のでしょう?

 

 

 ヒントになるのは「ゲシュタルト」(あるいはフレーム)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

もう一度、「老い方をいますぐ、アップデート」の第4章全体を読み直してみてください。

 

 

老い方をいますぐ、アップデート

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 …OKですか?

では、コーチング実践者に対する視点で回答します。

F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

4章のタイトルは「これからの世界に何を残すのか? -次世代リーダーという新しいあり方」です。つまり、リーダーシップのゲシュタルト(フレーム)。だから博士は「アファメーションを積極的に勧めている」ように書かれたのだと思います。

Q-459:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.3;リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37967235.html

 

 コーチングとリーダーシップはまったく違うものです。まずはそこをしっかりと理解してください

 

 

 「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」を「しっかり理解する」というのは、「コーチング」というゲシュタルトと「リーダーシップ」というゲシュタルトをそれぞれ作るということ。

 

 その上で両者を統合することができると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 理解がさらに深まります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

コーチングとリーダーシップはまったく違うもの

 

 

 その一方で、両者は深く関係しています。苫米地博士は「真のリーダーにはコーチングの知識と技術が必要」と話されています。「真のリーダー」とは、アプリオリ権力ではないリーダーのことです。

 F-296:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.3;次世代リーダーの要件 -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31709558.html

 

「オーセンティック・コーチング 2026」(開拓社)の中で、博士はゴールのバランスホイールに「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」を追加されました。

なので「リーダーシップ」は -あくまでもその本質はコーチングとは違うものですが-コーチングの実践に含まれます。

 Q-464:「この世をよくしたいvol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

オーセンティック・コーチング2026

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 つまり、低い抽象度次元においては「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」ですが、1つ抽象度を上げると「コーチングとリーダーシップは同じ(包摂される)」ということ。

 そのように抽象度をコントロールしながら向き合うことで、しっかり「理解」しながら(=抽象度↑)、ちゃんと「実践」する(=抽象度↓)ことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 繰り返しますが、ポイントは抽象度のコントロールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以下、苫米地博士の著書「コーポレートコーチング 上」(開拓社、p109)より引用します。「抽象度のコントロール」を意識に上げながら、ゆっくり読み進めてください。Feel

 

 

コーポレートコーチング(上)

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リーダーのマインドとプロフェッショナルのマインド

 次は、リーダーのマインドとプロフェッショナルのマインドについてです。

 簡単に言いますと、リーダーの人たちと現場の人たちとの違いは何かという話です。

 これは、抽象度の違いと捉えるべきものです。

 リーダーは常に高い抽象度を保つ必要があります。

 仮に現場レベルの業務をやるケースがあったとしても、頭の中には常にコーポレート全体の発展とか、コーポレートが目指すゴールのことを考えていなければなりません。

 例えば、何かの理由でファーストフードチェーンの社長が、現場の店舗の厨房に立って、調理をすることがあるかもしれません。

 しかし、これは100%パフォーマンスであって、頭の中は会社全体のことを考えています。

 それに対して、現場の厨房で働く人たちは、通常はエンドステートのこと、つまり自身のやるべきミッションに集中しているはずです。

 こうした各自のミッションのことを、コーポレートミッションと区別する意味で「サブミッション」と呼ぶことがあります。

 このサブミッションを遂行するために、エンドステートの臨場感空間の抽象度で活動することは、何の問題もありません。

 ファーストフード店の厨房でパンにハンバーガーを挟む仕事をしている人が、社長や役員が経営会議で話し合う内容について、いちいちチェックする必要はないわけです。

 ただし同時に、この抽象度を上げたり下げたりする柔軟性をそれぞれの構成員が持つことは、現在のコーポレートにとっては必要なことでもあり、実際、システムとして存在するということは注意点の一つとして押さえておいた方がいいでしょう。

 現場の厨房からいきなり持株会社の社長レベルにまで上がってしまうような柔軟性までは必要としませんが、抽象度で一つか二つ上、具体的には厨房で仕事をする人なら、その店舗の店長レベルの抽象度ぐらいまでは柔軟に上げ下げできるべきです。

 現在的な組織は、誰もがいつでもリーダーになることができるように、最初から訓練された人たちの集合体であるべきです。

 また特殊部隊の例で恐縮ですが、特殊部隊の中にもリーダーがいます。

 もしリーダーがテロリストとの戦闘で撃たれて、戦闘不能の状態に陥ったとしたら、それまでリーダーではなかった特殊部隊員の誰かがリーダーの役割を担う必要が出てきます。

 そのときに、誰もがリーダーとしての訓練を受けていなかったら、この部隊は壊滅してしまうか、少なくともミッションを遂行することはできなくなるでしょう。

 それでは困るわけで、リーダーが突然、不在になるリスクも考慮して、自らのエンドステートの遂行とは別に、普段から抽象度の上げ下げができるようにしておく必要があるのです。

 さらにここで注意が必要なのは、リーダーが不在となり、それまで同じくらいの抽象度にいた構成員がリーダーの役割を担うことになったとき、他の構成員はその人を本当のリーダーだと扱って行動しなければいけないということです。

 簡単に言うと、その急造リーダーの命令を絶対のものとして受け入れなければいけないということです。

 コーポレートにおいて、組織の命令は常に一方向でなければなりません。

 特に企業においては民主主義はありません。

 業務命令は常に上意下達です。

 ビジネスには一瞬の躊躇が、大きな損失に繋がることも少なくありません。

 すぐに判断を下して動かなければならないような状況で、「あいつはこの前リーダーになったばかりだから信用できん。まずはみんなで会議しよう」などと言っていては、生き残れません。

 もちろん、「ブリーフィング」はかまいません。

 ブリーフィングというのは、まだ実際の行動に移る前に、ミッションの共有、手順の確認、あるいは想定される状況のシミュレーションなどを全員で確認し合うことです。

 特殊部隊であれば、実際の戦闘地域ではない場所、例えば基地内、もしくは空母やヘリコプターの中で行われる打ち合わせ、会議、といった情報共有の場のことです。

 そういった場で行われるような情報伝達であれば、下から上にも常に伝わらなくてはなりません。

 それはやるべきことですが、テロリストと対峙している状況で会議を開くことはあり得ません。

 ましてや、「あいつはこの前まで俺と同じ立場だった急造リーダーだから、言うことは聞けん」などという状況では、組織は崩壊しているも同然です。

 いずれにしても、組織の構成員はエンドステートの臨場感を持ちつつ、抽象度が一つか二つ高いポジションならいつでも取って代われるという状態に訓練されている必要があります。

 全員のエフィカシーが高ければ「なんでリーダーは俺じゃなく、あいつなんだ」というようなおかしな感情は生まれません。

 また、当然ですが、リーダーは現場の抽象度までいつでも下がっていける状態でなければなりません。

 現場のエンドステートに関わることを相談されたとき、「全然、わからない」では困ります。

 特殊部隊のリーダーであっても、銃の使い方に長けている必要はありますし、テロリストとの格闘になったとき、素手でねじ伏せるぐらいの格闘技術を身に付けておく必要はあるわけです

 組織は、それぞれのサブミッション(エンドステート)の抽象度の二つ上ぐらいの抽象度を持てる人を常に育てる必要があるのです。

 企業などの組織における出世を考えたとき、どういう人間を出世させるかと言えば、このように二つぐらい上の抽象度について明らかによく理解している人を選ぼうということになるはずです。

 ひと昔前までは、前のリーダーやさらに上のリーダーに忠誠を尽くした人とか、個人的にかわいがられた人といった、抽象度の極端に低い人が出世したりしました(もちろん、出世させる方も抽象度が低い)。しかし、今はそんな企業が次々と淘汰される時代になっています。

 さて、こうした、優れたリーダーになるというような、抽象度が少し上のエフィカシーとは別に、「俺はこの仕事に関しては、最高の業績を出せる」というような、自分のサブミッション(エンドステート)への高いエフィカシーというものもあります。

 これが、プロフェッショナルのマインドです。

 プロフェッショナルのマインドは、抽象度を常に2つぐらいあげたサブミッションの遂行と、エンドステート達成への高いエフィカシーの両方を常に維持します。

 一人一人がプロフェッショナルなマインドを持つことは、ハイパフォーマンスな組織を作る上では必須です。

 まずは、こうしたプロフェッショナルのエフィカシーを徹底的に上げていけるようなコーポレートトークを作り上げていく必要があります。

 そういったコーポレートカルチャーを作り出すど真ん中にいるのがコーポレートコーチだということを理解していただきたいと思います。

 引用おわり

 

 

 リーダーは常に高い抽象度を保つ必要があります

 

プロフェッショナルのマインドは、抽象度を常に2つぐらいあげたサブミッションの遂行と、エンドステート達成への高いエフィカシーの両方を常に維持します

 

 このような「リーダーのマインド」と「プロフェッショナルのマインド」を極めた先にあるのが“ゲバラ主義”です。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 ゲバラ主義とは、「抽象度の高い理想(ゴール)」と「直接的実行」の双方向性

 

 「抽象度が高い理想(ゴール)」が時空を超えていくほど、アファメーションは過去に縛られなくなっていきます。つまり、「過去は一切関係ない」というプリンシプルと矛盾しなくなる ということ。

 Q-476:嫌がらせを<応用編;「やりたいことをやりたいだけやる」を貫く鍵>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38252126.html

 

 一方の「直接的実行」は、より抽象度の低い次元での行動です。抽象度が低くなるほど、関連する具体的情報(縁起)が増え、それらが複雑に絡み合いながらダイナミックに変化していくことになります。仏教的にいうと「無常」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そのような状況で「サブミッション(エンドステート)」を達成するためには、状況の変化に合わせて想定(アサンプション)を細かく更新していく必要があります。コーポレートコーチングのフレームでは、それを「アサンプション・アップデート」と呼びます。

 当然、アサンプションを更新するたびにアファメーションは変わっていき、結果的に「過去は一切関係ない」という状況になります。

 F-270:冗長性と多様性 <vol.2;アサンプション・アップデート>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321842.html

 

 

 以上より、「博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?」に対する私の回答はリーダーシップのゲシュタルト(フレーム)だから

 

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?」に対してはゲバラ主義と理解して、「抽象度の高い理想(ゴール)」と「直接的実行」の双方向性で実践する です。

 

 

 これがコーチング実践者向けの回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」を「しっかり理解する」というのは、「コーチング」というゲシュタルトと「リーダーシップ」というゲシュタルトをそれぞれ作るということ。その上で両者を統合できると理解がさらに深まります

 

 そのための方法が「コンセプチュアル・フロー」です↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

F-443:風になりたい <vol.7(最終話);新たな『風になりたい』(=自己組織化)をブーストする鍵”>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38237847.html

L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

Q-464:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

 

Q-481:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 

Q:苫米地博士は「過去は一切関係ない」と矛盾するから「これからはアファメーションは行わない」と話されています。これからのコーチングではアファメーションは行わないと理解しておりましたが、博士の新刊の「老い方をいますぐ、アップデート」の中ではアファメーションを積極的に勧めているように感じられます。

博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?

 

A1:前半はコーチング入門者に対する視点で、後半はコーチング実践者に対する視点で回答します。あくまでも私の仮説です。気楽にどうぞ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

「アファメーション(Affirmation)」の「affirm」は、「肯定する」「承認する」という意味です。コーチングにおいては「肯定的な断言をすることにより、無意識の力を引き出し、イメージを現実化する方法」として用いられています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 なぜ「無意識の力を引き出す」ことができるのでしょう?

 

 

 答えは「ゴール側の可能世界w2の臨場感を高めることができる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールは現状の外にあるためクリアにイメージすることはできません(できる場合は現状の中です)。しかし、ゴールを達成している未来から逆算した自分やまわりのあるべき状態はイメージすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

それはゴールに基づいたコンフォートゾーン(CZ)であり、ゴール側の可能世界w2です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ちなみに、最新のコーチングにおけるCZの定義は「w ∀y∃x rComfortzone(x,y) } x,y ∈w_{current}}」。自然言語で表現すると「すべての現在の可能世界を並べ替える関数r」です。

 F-430:オーセンティック・コーチングの形式定義 <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37977729.html

 

 その“ゴールに基づいたCZ(=ゴール側の可能世界w2)”を肯定的に断言すると、その臨場感を高めることができます。声に出しながら繰り返し読むと(=外部化)、臨場感はさらに高まります。

 L-246202210月介護施設研修 -06;可能世界w2の臨場感を上げる3ステップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38099185.html

 

 なぜ臨場感が高まると無意識の力を引き出すことができるのでしょう?

 

 

 答えは「“ゴールに基づいたCZ(=ゴール側の可能世界w2)”にホメオスタシスが働く」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

情報空間に働くホメオスタシス・フィードバックの強度が臨場感の正体です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 つまり、臨場感とは、CZのレベルやホメオスタシス・フィードバックの強度と同じ。そして、それはエフィカシーの高さのことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。最新のコーチングにおいては「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する自己能力の自己評価関数」と定義されています。

 

 

  Efficacyw1)→ w2

 

 

 コーチングの実際の作業は「クライアントのゴール設定をサポートし、エフィカシーを上げる」こと。よって、アファメーションが有効なのは間違いありません。

 F-323:観自在 <実践編-3;アファメーション>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html

 

 では、なぜ「コーチングではアファメーションは行わない」のでしょう?

 

 

 ここで「新刊の『老い方をいますぐ、アップデート』」中のアファメーションに言及されている部分を確認しましょう。以下、同書(TAC出版、p16520263月発売)より引用します。

 

 

エフィカシーの簡単な上げ方

 第二の人生を充実させている人に共通するのは、環境や周囲の声に振り回されず、自分なりの軸をしっかり持っていることです。そうした自分への信頼が行動力や決断力の源になります。

 そのために欠かせないのが、自分を好きになり、自分を肯定する「自己イメージ」を高めることです

 

 そこで、まず試してほしいのが、毎朝「今日はいい一日になる」と声に出しながら、コップ一杯の水を飲む習慣です。たった数秒の行動ですが脳の働きを活性化させ、作業効率を大きく底上げしてくれます。

 なぜ水を飲むだけで脳が目覚めるのか。それは、水を飲むという行為と、ポジティブな言葉やイメージをセットにすることで、エフィカシーが自然と高まるからです。こうした「言葉で理想の自分を作る技法」はアファメーションと呼ばれ、自分で自分の肯定感を高める手法です。

 人はどれだけ知識やスキルを持っていても、エフィカシーが低いと実力を発揮できません。逆に、エフィカシーが高まれば、自信を持って行動でき、成果にもつながりやすくなります。

 

 では、アファメーションを使ってエフィカシーを高めるにはどうすればいいか。

 まず、「こうなりたい」という未来の自分を明確に決めます。たとえば、「老後はずっと孤独だ」と悩んでいるなら、「主体的な仲間たちに囲まれた自分」がその理想のイメージになるでしょう。

 次に、その理想の姿を具体的な言葉で自分に繰り返します。

 「自分はできる」

 「この目標を達成するのにふさわしい人間だ」

 「仲間たちに囲まれて、自分のやりたいことをやり、社会に貢献できている」

 こうしたポジティブな自己対話を毎日続けることで、未来の自分の姿がリアリティを帯び、行動も自然と変わっていきます。

 何かができない人は「うまくできない自分」を根拠なく思い込んでいるだけで、本来の力を出せていません。

 だから、理想の自分をさきに決め、その姿にふさわしい行動をいまの自分に条件づけるのです。これが自己イメージを高く保つやり方であり、結果として「なりたい自分」を現実化していくことにつながります。

 朝の一杯の水は、自分の未来を変える自己イメージアップの呼び水なのです。

 すでにご存じの方も多い方法ですが、ここであらためてアファメーションの作り方の基本ルールを整理しておきます。

 

アファメーション作成の11のルール(「老い方をいますぐ、アップデート」より引用)

「老い方をいますぐ、アップデート」p168より引用

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第二の人生を充実させている人に共通するのは、環境や周囲の声に振り回されず、自分なりの軸をしっかり持っていることです。そうした自分への信頼が行動力や決断力の源になります。

 そのために欠かせないのが、自分を好きになり、自分を肯定する「自己イメージ」を高めることです。

 

 その「自分への信頼」や自分の裏返しである「宇宙(世界)への信頼」の基盤となるのがベーシックトラスト。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 ベーシックトラストとは、「子どもの親(大人)への絶対的な信頼感」のこと。

 それは親が子どもを徹底的に信じてあげることで育まれます。親から信頼されている状態がCZになる ということです。

 Q-229:低年齢の子どもも後編;しつけと教育の違い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27824108.html

 

 ところが、現実においては、親はドリームキラーであることが多いもの。ベーシックトラストが弱く、なかなか「自分への信頼」が持てないという方は決して少なくないはずです。そうですよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 さらに老いが重なると、ますます「自分への信頼」は揺らいでいきます。心身ともに弱っていくから。

 L-02620203月シークレット… -04;老いの実感 ~乗り物酔いリターンズ~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26077153.html

 

よって、文字どおり「老い方をアップデート」するために、あえてアファメーションを取り上げられているのだと思います。

 F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ ♪」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268333.html

 

これはコーチング前の段階の話であり、コーチング入門者向け。

エフィカシーは「自分のゴール達成能力の自己評価」ですが、そもそもゴールが設定されていなければ高めようがありません。

 ゴールがないままでは「理想の自分をさきに決める」ことはできず、当然「その姿にふさわしい行動をいまの自分に条件づける」こともできません。

ルー・タイスさんの言葉でいうと、「ゴールが先、認識が後」です。

 Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 引用した文章で博士が問われているのは

 

  自分を好きですか?

  自分を肯定する「自己イメージ」を持っていますか?

 

 ということ。

 

 でも、ほとんどの人は自分のことを好きではなく、自分を肯定する「自己イメージ」を持ってはいません。「持っている」という方も、本来の潜在能力と比べると、まったく足りないはずです。

 Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html

 

 その理由はベーシックトラストが弱いからであり、老いとともに心身が弱っていくから。もっと本質的に考えるとそもそも我々の記憶が“失敗”駆動型だから です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 だから「アファメーションを使ってエフィカシーを高める」ことを勧められているのだと思います。まずはコーチングのスタートラインに立てるように。

 Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html

 

 

 以上がコーチング入門者に対する視点での回答です。

 次回はコーチング実践者に対する視点で回答し直します。

 

Q-482につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 ちなみに、最新のコーチングにおけるCZの定義は「w ∀y∃x rComfortzone(x,y) } x,y ∈w_{current}}」。自然言語で表現すると「すべての現在の可能世界を並べ替える関数r」です

 

 思考することそのものが大切。思考とは「記憶と情報の関連性を無作為に組み合わせる」ことです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30514015.html

 

 ところで、最新のゴールの定義は「∀y∃x qGoal(x,y) } x,y ∈w_{future}}」でしたが、「老い方をいますぐ、アップデート」と同時期に発売された「新・夢が勝手にかなう手帳 2026年度版」(Club Tomabechi)の中では「w ∀y∃x qGoal(x,y) } x,y ∈w_{future}}」と記載されており、「ある可能世界において」をあらわす「w」が追加されています。

これはなぜなのでしょう?

 

 

 そのようなことを探究し続けることが「コーチにふさわしいハビット&アティテュード」だと私は思っています。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年秋に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-164~5:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ vol.2「老」;anti-aging <ワーク付き>

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